極道の妻も出産時「バカヤロー、出て来い!」と絶叫!【元ヤクザ《生き直し》人生録】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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極道の妻も出産時「バカヤロー、出て来い!」と絶叫!【元ヤクザ《生き直し》人生録】

【塀の中はワンダーランドVol.3 】バカヤロー、出て来い!

◼️産気のさなか我が子へ「バカヤロー!」

イラスト:さかはら じん

 身体は小さいが、直情径行型ですぐにキレる。キレるといえば、ユキテルが生まれる平成5(1993)年8月1日、入院先の産婦人科医院の分娩室で、お腹からなかなか出てこない我が子に苛立って、

 「バカヤロー、出て来い!」と絶叫した。

 ぶちギレて踏ん張ったことが幸いし、無事にユキテルがこの世に生まれてきたのだった。

 このとき、ボクは鼻の下を伸ばして「や○ぎ」という小料理屋の浮気相手の娘といちゃついていた。そんなとき、弟分の尚(なお)から「子どもが生まれた」という連絡が入ったので、さっさと女を放っぽって、わが子誕生の喜びに産院へ駆けつけた。

 奥さんの「バカヤロー事件」は、もう産院中で噂になっていたから、看護師たちに好奇の目で迎えられ、その挙句、年配の看護師からは、

 「私も長い間、助産婦をしてきたけど、奥さんのような方は初めてです。新しい生命が誕生するというのに不謹慎ですね。普通だったらご主人の名前を呼ぶとか『あなたぁー』とか言ったりするのに『バカヤロー、出て来い!』と言ったんですよ。本当に呆れてしまいました。この先、母親が務まるのかしら……」と呆れられてしまった。

 こんな規格外な奥さんだから、ボクはいつもハラハラドキドキして、毎日、ボスである奥さんの顔色を窺いながら生活していた。

 (『ヤクザとキリスト〜塀の中はワンダーランド〜つづく)

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 2020年5月27日
『塀の中のワンダーランド』
全国書店にて発売!

 新規連載がはじまりました!《元》ヤクザでキリスト教徒《現》建設現場の「墨出し職人」さかはらじんの《生き直し》人生録。
「セーラー服と機関銃」ではありません!「塀の中の懲りない面々」ではありません!!

 「塀の中」滞在時間としては人生の約3分の1。ハンパなく、スケールが大きいかもしれません。

 絶望もがむしゃらに突き抜けた時、見えた希望の光!

 「ヤクザとキリスト〜塀の中はワンダーランド〜」です。

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さかはら じん

さかはら じん

1954年生まれ(本名:坂原仁基)、魚座・O型。埼玉県本庄市生まれの東京育ち。幼年 期に母を亡くし、兄と二人の生活で極度の貧困のため小学校1カ月で中退。8歳で父親に 引き取られるも、10歳で継母と決裂。素行の悪さから教護院へ。17歳で傷害・窃盗事件を 起こし横浜・練馬鑑別所。20歳で渡米。ニューヨークのステーキハウスで修行。帰国後、 22歳で覚せい剤所持で逮捕。23歳で父親への積年の恨みから殺害を実行するが、失敗。 銃刀法、覚せい剤使用で中野・府中刑務所でデビューを飾る。28歳出所後、再び覚せい剤 使用で府中刑務所に逆戻り。29歳、本格的にヤクザ道へ突入。以後、府中・新潟・帯広・神戸・ 札幌刑務所の常連として累計20年の「監獄」暮らし。人生54年目、獄中で自分の人生と向き合う不思議な啓示を受け、出所後、キリスト教の教えと出逢う。回心なのか、自分の生き方を悔い改める体験を受ける。現在、ヤクザな生き方を離れ、建築現場の墨出し職人として働く。人は非常事態に弱い。でもボクはその非常事態の中で生き抜いてきた。

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  • さかはらじん
  • 2020.05.27